目的と背景
- グループの目的
- 動画・音声・音楽ストリーミングサービスの社会的な影響についての研究、調査、報告
- 国内ストリーミングサービス事業者のレベルアップ
- 背景
- Internetにおける動画・音声・音楽ストリーミング(以下ストリーミング)は、その誕生から四半世紀が経過し、直接的な国内市場(動画広告、定額制動画配信)のみでも約6,000億円を超え、メディアとしても(若年層については)テレビを超える接触時間を持つNo1メディアとなりました。
- ストリーミング事業者は、その影響と責任について考えるべき時期に来ています。例えば、Internetのトラフィックの6~7割はストリーミングであり、ストリーミング事業者は、日常のInternetにおいても、トラフィックの最適化に努める責任を持っています。さらに、災害などの有事においては、Internetを有効に活用するために積極的なトラフィック管理が必要です。
- また、ストリーミングの約半分(全Internetトラフィックの1/4程度)は、YoutubeやNetflixのような大手ストリーミング事業者により配信されています。そして、これら事業者は、自社開発のCDNにより高度なトラフィック制御を行い、ISP事業者との配信コスト負担について有利なポジションを取っています。一方、国内ストリーミング事業者は、ほぼトラフィック制御をCDN事業者にまかせるだけで、技術も人材も持っていません。また、総務省を中心に国内トラフィックの最適化に向けた活動も行われていますが、ISP等のネットワークオペレータが運用情報の交換を行うだけであり、トラフィックを管理しているストリーミング事業者による根本的(アーキテクト的)な活動は行われていません。
- また、ストリーミングは、確実にユーザの支持を得ており、すでにラジオを超え、近い将来テレビを超える接触時間を持つメディアになると思われます。一方、そのコンテンツや広告は野放しのままであり、何ならかのアクションが必要になっています。
活動について
- 運用体制
- 当面は、鍋島が取りまとめを行う非公式なグループとして運用します。
- 当面のゴールと活動
- ストリーミングについて近々の課題であるネットワーク関連の現状・課題について包括的なホワイトペーパーを作成します。
- ホワイトペーパ作成は鍋島が行い、結果について月1回の勉強会で報告・議論を行います。
勉強会日程
すべてオンライン開催かつメンバーのみです。
- 第1回
- 2022年6月2日(木) 14:00~15:00
- コンテンツ、メディア、CDNからみたトラフィックトレンド
- スピーカー:鍋島
- トラフィック単価、OTT各社業績、サービスシェア等につての調査結果報告
- 第2回
- 2022年6月9日(木) 14:00~15:30
- インターネットトラフィック最新事情2022
- スピーカー:KDDI熊木さん、Intec永見さん
- キャリア側からみたトラフィックの現状についての報告+議論
- 第3回
- 2022年7月20日(水) 14:00~15:00
- アジェンダ
- ABEMAサービス概況、ABEMA山中さん
- 有料vMVPDの動向について、鍋島
- ユニキャストを利用したCATVサービスであるvMVPDの動向について議論します。vMVPDは、米国において1,400万の加入者を得ており、CATVコードカットの原動力とも言われているサービスであり、放送コンテンツの通信伝送の先行事例となっています。
- 第4回
- 2022年8月18日
- トラフィックトレードのパワーゲームと通信の中立性
- 「ネットワークインフラただ乗り論」の現状
- 通信市場規模と配信市場規模
- NGNの矛盾点
- 中立性問題
- ネット側によるOTT操作
- 米国におけるロビー活動と中立性の取り扱い
- 国内における中立性問題への取り組み
- 訴訟(Netflix)SKブロードバンド(2021)、COMCAST(2014)、COGENT(2012)
- 「ネットワークインフラただ乗り論」の現状
- 第5回
- 2022年9月
- パワーゲーム視点で見たCDN
- パワーゲーム視点でみたCDN分類:DNSナビゲーション、エニキャスト、URL指定
- 自社CDN:Youtube、Netflix、BBC
- OTT・CDNとISPの協力:無料コロケーション:Netflix Open Connect、GGC (Google Global Cache)、AANP (Akamai Accelerated Network Program)
- レベニューシェア:Ericsson UDN (Unified Delivery Network)
- CDNサーバ共用:SVA Open Caching
- CDN間の協調CDNフェデレーション、OnAppモデル
- 第6回
- 2023年1月23日14:00~15:00
- QoEと外部環境
- QoEとは?
- QoEの基本、ツール、指標(ITU-T、SVA)
- 国内のQoE状況
- QoEに関連する外部環境
- 新技術(IPv6、HTTP/3等)の影響
- モバイル各社の特殊サービス一覧
- 国内指標
- 総務省の動向(ネットワークQoSについては指標化を目指す)
- (議論)ストリーミングQoEについての指標化の可能性
- ストリーミングQoEワークショップ開催について
- QoEとは?
- 第7回
- 2023年3月23日15:00~16:00
- FASTの動向について
- 国内動向
- ABEMA
- Rチャンネル
- 米国動向
- Pluto TV
- Tubi
- デモ(VPN経由の米国サービス接続)
- 国内動向
ホワイトペーパ目次
- ストリーミングの現状
- Internetにおけるトラフィックシェア
- Cisco以外の調査結果(CiscoのVNIは怪しい)
- 国内ISP等:NDA締結後に統計情報を入手
- OTT各社のトラフィックシェア
- Sandvine等による調査結果、国内ISP
- 国内市場規模
- VoD:成長鈍化?
- 広告:まだまだ伸びる?
- メディアとしてのポジション(接触時間等)
- 現状、良い調査がない
- Internetにおけるトラフィックシェア
- メディア配信の現状
- Internetのコスト負担
- IXでの対等接続、トランジット購入
- CDN基礎
- 配信サーバ、GSLB、バックエンド
- CDNビジネスの現状
- セキュリティ・Web:高利益率、メディア配信:原価ぎりぎり
- マルチCDN
- サーバサイド、プレイヤーサイド
- マルチキャスト
- 網側の対応は進む、プレイヤー側は後退
- Internetのコスト負担
- 大手ストリーミング事業者のサービス実装
- CDN各社
- 国内サーバ配置、自社開発配信サーバのスペック
- OTT (Netflix、YouTube)
- 自社開発CDN、自社開発配信サーバのスペック
- 放送再送信
- 英国BBC:BIDI(自社開発CDN)
- 韓国KBS:Amazon AWS
- 国内リクエストナビゲーションの実際
- 第三者視点での調査結果
- CDN各社
- トラフィックに関するパワーゲーム
- OTT・CDNとISPの協力
- 無料コロケーション:Netflix Open Connect、GGC (Google Global Cache)、AANP (Akamai Accelerated Network Program)
- レベニューシェア:Ericsson UDN (Unified Delivery Network)
- CDNサーバ共用:SVA Open Caching
- CDN間の協調
- CDNフェデレーション、OnAppモデル
- 訴訟(Netflix)
- SKブロードバンド(2021)、COMCAST(2014)、COGENT(2012)
- OTT・CDNとISPの協力
- 課題
- 災害時等におけるサービス運用
- ビットレート抑制
- ストリーミング視聴QoE
- 国内InternetのQoE状況を各社QoEデータを持ち寄り標準化
- 国内におけるストリーミング専用配信基盤
- Youtube、Netflix、BBCのような独自の配信基盤を日本国内で構築運用
- スマートフォンへのモバイル配信
- 5G Broadcast、WiFi Multicast、AL-FEC、HARQ
- 災害時等におけるサービス運用
参加資格と申し込み
以下のGoogle Fromへの記載をお願いします。グループからの連絡はメーリングリストを予定しています。
https://forms.gle/SgxFvR6gnh1h13at7
また、深い議論を行うために以下の参加制限を設けたいと思います:
- ストリーミングサービス事業に関わっている方(メーカー、商社、ISP等の方はご遠慮ください)
- ある程度以上の業務経験を持たれている方