IPv6 Survey 2019(jpドメインWebサイトのIPv6対応率調査)は、以下のようなものでした:
- FQDN単位:2.98%
- ドメイン単位:1.88%
ここでは、もう少し考察をしてみたいと思います(IPv6対応率は以下のフォーマットで表示します):
- IPv6対応率% (IPv6対応FQDN数/FQDN総数)
- 例:Yahoo、0.11% (1/939)
- IPv6対応率:0.11%
- IPv6対応FQDN数:1
- 使用FQDN数:939
- 例:Yahoo、0.11% (1/939)
プラットフォーマー
国内プラットフォーマのIPv6対応率は以下のような結果です:
- Yahoo (yahoo.co.jp)、0.11% (1/939)
- 楽天 (rakuten.co.jp)、1.09% (4/367)
- Line (line.me)、1.39% (2/144)
一方、海外プラットフォーマのIPv6対応率は以下のような結果です:
- Facebook (facebook.com)、100.00% (181/181)
- Google (google.com)、97.61% (245/251)
- Amazon (amazon.com)、6.10% (5/82)
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国内事業者は、IPv6に対しまだまだお試しの状況で、少数のサイトのみをIPv6化している状況です。一方、Facebook、GoogleはIPv6に本気です。
大学
.ac.jpと.edu全体としてのIPv6対応率は、 3.36%対8.38%でした。また、国内の主要大学のIPv6対応率は以下のような結果です:
- 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)、2.44% (39/1,600)
- 京都大学(kyoto-u.ac.jp)、0.46% (5/1,083)
- 東北大学(tohoku.ac.jp)、 0.00% (0/765)
- 大阪大学(osaka-u.ac.jp)、0.55% (4/721)
- 九州大学(kyushu-u.ac.jp)、0.41% (3/720)
- 東京工業大学(titech.ac.jp)、0.36% (2/554)
- 慶應義塾大学 (keio.ac.jp)、18.30% (131/716)
- 早稲田大学(waseda.ac.jp)、0.00% (0/244)
一方、米国の主要大学のIPv6対応率は以下のような結果です:
- ハーバード大(havard.edu)、5.38% (25/465)
- スタンフォード大(stanford.edu) 9.35% (43/460)
- マサチューセッツ工科大(mit.edu) 5.56% (24/432)
- カリフォルニア大学バークレイ校(berkeley.edu) 36.29% (139/383)
- カリフォルニア大学ロサンゼルス校(ucla.edu) 4.37% (16/366)
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米国大学と国内大学で、IPv6対応率が10倍ぐらい違うという結果です。また、東大を除く旧帝大や東工大もIPv6対応率1%以下という散々な結果です(東大についても対応率2.44%と良いわけではありません)。慶應ももっと頑張っているのかと思ったら、実際には18%程度の対応率ということで、まだままだ大学内の啓蒙活動が必要だと思われます。全体として、国内大学には、米国並みのIPv6対応率(現状の10倍程度)は達成して欲しいところです。
IPv6普及・高度化推進協議会|IPv6 Promotion Council
以上のようにお寒い感じの国内IPv6対応率です。これを改善するタスクを負う協議会(IPv6普及・高度化推進協議会)の理事組織のIPv6対応率を調査すると、以下の結果となりました:
- イーサイド(e-side.co.jp)、80.00% (4/5)
- インターネットイニシアチブ(iij.ad.jp)、84.62% (11/13)
- インテック(intec.co.jp)、0.00% (0/2)
- NTTコミュニケーションズ(ntt.com)、38.64% (17/44)
- KDDI(kddi.com)、13.54% (13/96)
- CISCO(cisco.com)、35.85% (19/53)
- NEC(nec.co.jp)、0.00% (0/24)
- マイクロソフト(microsoft.com)、11.27% (31/275)
- パナソニック(panasonic.biz)、0.00% (0/12)
- 富士通(fujitsu.co.jp)、0.00% (0/2)
- フリービット(freebit.com)、25.00% (3/12)
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さすがに通信系については、それなりのIPv6対応率です。しかし、現在のフェイズとしては、Facebook(100%)、Google(98%)なみのIPv6対応率を目指して欲しいところです。一方、メーカやシステム系の以下の企業(自社ホームページのIPv6対応率が0.00%)には、早期のIPv6対応をお願いしたいところです:
- NEC、インテック、パナソニック、富士通
IPv6 Summit in TOKYO 2019
2019年11月25日に開催されたIPv6 Summit in TOKYO 2019の関連組織(主催、後援、登壇等)のIPv6対応率です:
- IPv6普及・高度化推進協議会(v6pc.jp)、100%(1/1)
- 総務省(soumugo.jp)、35.00% (7/20)
- 経済産業省(meti.go.jp)、85.19%(23/27)
- WIDEプロジェクト(wide.ad.jp)、53.33%(16/30)
- 日本ネットワークインフォメーションセンター(nic.ad.jp)、45.45%(5/11)
- 日本ネットワークイネイブラー(jpne.jp)、83.33%(5/6)
- 三菱総合研究所(mri.co.jp)、25.00%(3/12)
- ブロードバンドタワー(bbtower.co.jp)、0.00%(0/2)
- NECプラットフォームズ(necplatforms.co.jp)、0.00%(0/2)
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官庁については、総務省より経済産業省の方が頑張っているという結果です。総務省(IPv6普及の主幹?)には、もっと頑張って欲しいところです。また、政府サイト全体(.go.jp対.gov)のIPv6対応率は、17.11%対32.12%となりました。JPNICとWIDEプロジェクトについては、50%ぐらいのIPv6対応率なのですが、きつく言うと半分ぐらいのWebサイトは、IPv4のみ運用を続けているという結果であり、もう少し頑張って欲しいところです。一般企業については、今後、このようなIPv6プロモーションイベントに登壇すると、自社サイトのIPv6対応率を問われるということを気にしてもらえればと思います。