コロナ対策として家庭でのリモート学習が必要となっています。ただし、リモート学習にはネットワーク接続が必要となり、その費用について見積もる必要があります。この点について考察してみます。今回は、検証する時間がないので過去の経験だけで書きます。
授業系コンテンツのビットレート
これは授業の形態と撮影方法により異なります:
- パワーポイント等の静止画+音声
- 動画の作り:紙芝居的な画面構成+音声による説明
- 特徴:文字情報が多くなるため静止画が増える
- 対象:社会人、大学生
- 帯域:100Kbps~200Kbps
- 撮影:パワーポイント等にある「授業コンテンツを音声付きで動画にする機能」を使用
- 講師の映像+板書+音声
- 動画の作り:講師を主体とした画面構成、そこそこ動きがある
- 特徴:生徒を飽きさせないために、ある程度の動きが必要
- 対象:小中高生向け
- 帯域:500Kbps程度
- 撮影:通常のカメラどり
ビットレートとトラフィック量
それぞれのコンテンツのトラフィック量は以下ぐらいです:
- 100Kbpsコンテンツ
- 1時間:約50MB (1GBで20時間)
- 500Kbpsコンテンツ
- 1時間:約250MB (1GBで4時間)
MVNO(格安SIM)による料金試算
- 大学生 (100Kbpsコンテンツ)
- 月に120時間 ⇒ 6GB
- 通常のデータプラン(6GB):1,500円/月程度
- 帯域制限プラン(500Kbps):500円/月程度
- 100Kbpsのコンテンツであれば雑に流しても快適に見てもらえる
- 小中校生 (500Kbpsコンテンツ)
- 月に120時間 ⇒ 30GB
- 通常のデータプラン(30GB):6,000円/月程度
- 帯域制限プラン(500Kbps):500円/月程度
- 実際にはかなり厳しい、配信方法、コンテンツの作り、エンコード等いろいろ頑張る必要あり
MVNOが受注しきれるか?
モバイル事業者のデータプランは、多くのユーザが契約量までトラフィックを使いきらない前提で料金を決めている。一方、義務教育にモバイルサービスを適用させた場合、生徒は卒業がかかっているため、データを使い切ってくる可能性が高く、モバイル事業者の経営を圧迫する。
一方、モバイル事業者のトラフィックピークは、お昼時や夕方など、授業が無いタイミングであり。生徒に対し、これらピーク時間をさけた(通常授業をしている時間帯)に、ネットワークを使うような制限をかけられば、モバイル事業者のコストは下がる。
終わりに
早急に立ち上げるべきリモート学習ですが、モバイル事業者と配信事業者が手を組めば、何とかなりそうです。みなさん頑張りましょう。
参考
MVNO CDN https://tech.jstream.jp/blog/cdn/mvno-cdn/