総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」から変動比をプロットししました。
傾向について
- コロナ以前(2020年以前)
- 調査毎の増加率は減少傾向
- コロナ初期(2020年)
- 緊急事態宣言による外出自粛により、トラフィックが大幅に増加
- 2021年~2022年5月
- トラフィック増加率は徐々に減少
- 2022年11月
- トラフィック増加率が*再*増加
ストリーミング視点では、ネット動画へのアクセスがコロナにより押し上げられ、外出自粛の緩和により、トラフィックが落ち着いてきたと見ていました。しかし、昨年11月に再度急増化となっており、なんらかの異変があったと考えられます。
関連データ
深堀するために、関連しそうな二つのデータについてプロットします:
- 有料動画
- 元データ:有料動画配信市場規模(日本映像ソフト協会)
- 傾向
- コロナ初期(2020年):外出自粛で大きく市場規模を伸ばす
- 2021年:例年並みの伸び率まで戻す
- ネット接触
- 元データ:博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査」
- アンケートによる媒体接触時間の定点観測
- 毎年1、2月に調査を行っているため、2020年度についてはコロナの影響をあまり受けていない点に注意が必要
- https://mekanken.com/mediasurveys/
- ネット接触時間として、PC、タブレット、携帯・スマートフォンを合算したものの増減率をプロット
- 傾向
- 2020年:1、2月の調査であるためコロナの影響は少ない
- 2021年:コロナの影響を受け伸びている
- 元データ:博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査」
補足:2018年については両者ともに増加していますが、原因は不明
ストリーミング視点によるトラフィック増加の考察
トラフィック増加について、ストリーミング視点での考察を直観的に列挙します。裏付けとなる数字の調査についてはこれから行います
- SNSショート動画への接触時間増加
- 米国では、数年前からの傾向
- 国内でも、ここ1年でTikTokやFacebookへの接触時間が大幅に増加した?
- 個人的な体験(私のショート動画への接触時間はこの1年で大幅に増加した)としては、これが一番効いていると思う。
- ABEMA Wカップ
- 開催:11月20日~12月18日
- あまりネット動画を見ない人も視聴した?
- 動画広告の増加
- 従来はイメージまでだったバナー広告枠に動画広告が増加している
- 動画プレビューの増加
- GoogleアプリやFacebookアプリで、動画プレビューがデフォルトオンになった
- ネット系媒体の接触時間増加
- PCやスマホ等への接触時間が急に増えたとは思えない。一方テレビでの動画視聴は大きく伸びている。
- しかし、今回の増加要因の一つでしかないと思われる。
- コンテンツビットレート
- 上記テレビでの動画視聴に合わせて4K視聴が増えている。
- これについても、今回の増加要因の一つでしかないと思われる。
おわりに
最新データ(多くのものがまだ未公開)を使った最終的な考察についてはInetrop Confereneあたりでお話する予定です。