Nielsen the Gauge
The Gaugeとは、米国ニールセン社が行っている、テレビ受像機における視聴率調査。ただし、日本のようなチャンネル単位の視聴率調査ではなく、以下の分類に対する視聴率となっている
- Broadcast
- 放送局が送出している地上波等のコンテンツ
- CATVやvMVPD経由で見られたものも、ここでカウントされる
- Cable
- マルチチャンネル用のコンテンツ(番組供給事業者が提供している物)
- vMVPD経由で見られたものも、ここでカウントされる
- Streaming
- ネット配信用のコンテンツ
- これについては、サービス毎のシェアも調査している
- 注意点
- vMVPD (YouTube TV等):*2023年2月から*Cableでカウントされ、Streamingには含まれない。YouTube TV等がサービスしているnetDVRの扱いがどうなるかは不明(確認中)
- FAST (tubi等):一部Cableコンテンツも含まれるが、FASTについてはすべてStreamingに分類されている模様(確認中)
- Other
- ゲームやDVD視聴、測定対象外のVoD視聴が含まれる
データと読み解き方
2023年5月
- 「Persons 2+」というのは2歳以上の視聴者という意味
- Broadcastコンテツの視聴率は22.8%。
- これにはCable経由やvMVPD経由の視聴も含まれる。
- Cableコンテツの視聴率は31.1%。
- これにはvMVPD経由の視聴も含まれる。全MVPDにおけるvMVPDのシェアは20%程度であるため、いわゆるCATVや衛星経由の視聴は全TV利用の25%程度であると推測される
- Streamingコンテツの視聴率は36.4%。
- このうちFASTはtubi、Roku Channel、pluto TVの3サービスであり、合計3.3%の視聴率を取っている。これは、Disney+(1.8%)やPrime video(3.1%)を超える視聴率である。
直近8か月(2022年9月~2023年5月)のトレンド
- Broacast:1.4%ダウン(24.2⇒22.8:減少率6%)
- Cable:2.7%ダウン(33.8⇒31.1:減少率8%)
- 減少率はわりと少ない(月あたり減少率1%)。しかし、vMVPD(まだ増加傾向?)も含んだ数字であり、真のコードカット率を表していない可能性が高い
- Streaming:4.8%アップ(31.6⇒36.4:増加率15%)
直近8か月(2022年9月~2023年5月)のストリーミングサービス
- 主要4社(Netflix、YouTube、Hulu、Amazon)は視聴率を伸ばしている
コードカットとの関連
前述のように、2023年2月からvMVPDの視聴率がCableにカウントされるようになった。この結果、グラフにおけるコードカット(catvのビデオサービス解約)の影響が見えにくくなった。一方、これ以前のものについては、コードカットの影響がCable視聴率の減少として表れている。ここでは2022年12月のデータを使いコードカットの状況を推測する。
2022年12月
「YouTubeにYouTube TV、huluにHulu Liveが含まれる」という表記となっており、これらはStreamingとしてカウントされている。
12か月(2021年12月~2022年12月)のトレンド
- Broacast:1.4%ダウン(26.1⇒24.7:減少率5%)
- Cable:6.4%ダウン(37.3⇒30.9:減少率17%)
- コードカットの影響がそのまま表れているような減少率(17%)となっている。
- Streaming:10.4%アップ(27.7⇒38.1:増加率36%)
- コードカット後の代替サービスであるvMVPDを含むため、増加率が通常期(15~20%)より大きい。
2022年のvMVPDの状況としては、以下のような状況であると言われている:
- YouTube TV:大きくユーザ数を大きく伸ばす
- Hulu Live TV等:伸び悩む
上記グラフでは、以下のように、この状況を裏付ける結果となっている(YouTube TVを含むYouTubeの増加率が高く、HuluについてはNetflixと同程度の増加率である。Amazonが高いのは要調査)
- Netflix:1.1% (6.4⇒7.5:増加率16%)
- YouTube:2.9% (5.8⇒8.7:増加率50%)
- Hulu:0.4% (3⇒3.4:増加率13%)
- Amazon:0.7% (2.1⇒2.7:増加率33%)